ファクタリングは赤字決算でも利用できる?理由やメリット・デメリットを解説

公開日:2025-10-30
ファクタリングは赤字決算でも利用できる?理由やメリット・デメリットを解説

ファクタリングは、赤字決算の企業でも検討しやすい資金調達手段のひとつです。売掛金の売買であるため、利用者自身の財務状況よりも、売掛先の信用力が重視される点が特徴です。

本記事では、赤字決算でもファクタリングを利用できる理由やメリット・デメリット、選び方を解説します。赤字決算が続いた場合に起こり得るリスクもあわせて解説するので、ぜひご覧ください。

ファクタリング

ファクタリングは赤字決算の企業も利用できる

ファクタリングとは、売掛金をファクタリング会社に売却し、入金期日前に資金化するサービスです。「売掛金の買取」であるため、売掛金を保有していれば赤字決算の企業でも利用できる可能性があります。

経営状況に不安のある企業でも利用しやすいといえる理由は、主に以下の2点です。

  • 審査では売掛先の信用力が重視される
  • 信用情報の照会が行われない

審査では売掛先の信用力が重視される

第一の理由は、融資とは異なる基準で審査が実施されるためです。

一般的に、長期にわたって返済していく融資の審査では、融資を受ける企業の経営状況や財務状況などが重視されます。そのため、赤字決算や債務超過の状態にあると、審査に通過しにくい傾向があります。

いっぽうで、ファクタリングは融資ではなく、売掛金の買取サービスであり、審査で重視されるのは「売掛先の信用力」です。そのため、赤字決算や債務超過であっても資金調達できる可能性があります。

信用情報の照会が行われない

信用情報とは、ローンやクレジットカードの申込内容や契約内容、返済状況などの情報です。

金融機関から融資を受ける際には、利用者の信用力を判断するために、必ず信用情報の照会が行われます。いっぽう、ファクタリングは売掛金の買取であるため、一般的に信用情報の照会は行われません。

したがって、赤字決算の企業だけでなく、返済の滞納や債務整理などの履歴があっても資金を調達できる可能性があります。

赤字決算で起こり得るリスク

赤字決算とは、支出が収入を上回り、最終的な利益がマイナスになっている状態のことです。

赤字決算が続くと、資金繰りの悪化や信用力の低下など、さまざまな影響を及ぼす可能性があります。主なリスクは以下のとおりです。

  • 資金繰りが悪化する
  • 金融機関や取引先からの信用力が低下する
  • 債務超過による倒産のリスクが高まる

利益が出ていないと、手元の資金が不足しやすくなり、仕入代金や人件費などの支払いが難しくなる原因となります。信用力が低下し、融資を受けにくくなったり、取引条件を見直されたりする可能性もあります。

さらに、赤字が続くと、債務超過(負債が資産を上回ること)に陥るリスクが高まり、事業運営そのものに影響を及ぼしかねません。

こうしたリスクを避けるためにも、早期に原因を把握し、資金繰りの悪化を防ぐための対応を取ることが重要です。

赤字決算でファクタリングを利用するメリット

ファクタリングは赤字決算の企業にとって、財務状況に左右されにくく、早期に資金調達できる手段のひとつです。赤字決算の企業がファクタリングを利用する主なメリットは以下のとおりです。

  • 資金繰りを早期に改善できる
  • 信用情報に登録されない
  • 負債が増えない
  • 売掛金の未回収リスクを回避できる

資金繰りを早期に改善できる

赤字決算の企業は、一般的に資金繰りが悪化しやすい状態にあります。

ファクタリングを利用すれば、売掛金を入金期日前に資金化できるため、早期に運転資金を確保でき、必要な支払いに充てられます。ファクタリング会社によっては、最短即日の現金化も可能です。

これにより、取引先への支払いが遅れたり、給与の支払いが滞ったりするリスクを軽減できます。

信用情報に登録されない

信用情報機関への登録がない点も、赤字決算の企業がファクタリングを利用するメリットのひとつです。

金融機関から融資を受けると、申込履歴や契約内容、返済状況などが信用情報として一定期間登録されます。延滞などの履歴があると、今後の融資審査などに影響を与える可能性があります。

いっぽう、ファクタリングは融資ではないため、利用しても信用情報に記録は残りません。そのため、将来的に融資を検討している場合でも、信用情報に影響を与えることなく資金を調達できます。

ただし、銀行口座の明細でファクタリング利用が判明し審査結果に影響を与える可能性もあります。計画的に利用しましょう。

負債が増えない

ファクタリングは、資産である売掛金を現金化するため、利用しても貸借対照表上の負債として計上されません。その結果、自己資本比率を維持したまま資金繰りを改善でき、「財務の安定性が高い」と評価されやすくなります。

いっぽうで、融資を受けた場合は、貸借対照表上の資産(預金)が増えると同時に、負債(借入金)も計上されます。

売掛金の未回収リスクを回避できる

掛取引では、実際に入金されるまでに一定の期間を要します。その間に売掛先が資金難や倒産に陥ると、売掛金を回収できなくなり、特に赤字決算の企業にとっては深刻な影響を及ぼす可能性があります。

しかし、ファクタリングは原則として償還請求権のないノンリコース契約を結ぶため、仮に売掛先が倒産したとしても、利用者がそのリスクを負う必要はありません。

ノンリコース契約とは、売掛先が支払不能になっても利用者に返済義務が生じない契約のことです。

そのため、売掛金を回収できずに資金繰りがさらに悪化したり、連鎖倒産に陥ったりするリスクを回避できます。

赤字決算でファクタリングを利用するデメリット

ファクタリングは、迅速に資金を調達でき、資金繰りの改善を図れるいっぽうで、デメリットも存在します。資金調達コストや信用力に影響する可能性があるため、以下の2点を踏まえて検討しましょう。

  • 手数料がかかる
  • 債権譲渡登記が必要な場合がある

手数料がかかる

ファクタリングを利用する際は、手数料がかかります。ファクタリング会社や契約形態によって異なりますが、手数料の一般的な相場は以下のとおりです。

契約形態 概要 手数料の相場
2社間ファクタリング 利用者とファクタリング会社の2社間で契約を結ぶ 8%~18%前後
3社間ファクタリング 利用者・ファクタリング会社・売掛先の3社間で契約を結ぶ 2%~9%前後

ただし、実際の手数料は売掛金の金額や売掛先の信用力などによって異なります。

債権譲渡登記が必要な場合がある

ファクタリングによっては、債権譲渡登記が必要となる場合があります。

債権譲渡登記とは、売掛金を譲渡した事実を第三者に公示するために行う登記手続きです。登記をすると、債権譲渡の事実が公的に記録されるため、売掛先や金融機関にファクタリングの利用を知られる可能性があります。

また、登記手続きには別途費用がかかるため、債権譲渡登記が必要かどうかをあらかじめ確認しておきましょう。

ファクタリングの利用が向いている・向いていないケース

赤字決算の企業がファクタリングの利用を検討する際、一般的に向いている・向いていないのは以下のようなケースです。

向いているケース ・短期的な資金繰りを改善したい
・融資ではない方法で資金を調達したい
・比較的信用力の高い売掛金を保有している
向いていないケース ・長期的な資金を調達したい
・手数料の負担が資金繰りを圧迫する可能性がある
・売掛金の回収可能性が低い

ファクタリングは、短期的な資金繰りの改善に適した手段です。急な支払いや一時的な運転資金の不足など、短期間で資金を調達する必要がある場合に有効な選択肢となります。

自社の経営状況が厳しくても、回収可能性の高い売掛金を保有していればスムーズに資金調達できる可能性があります。

いっぽうで、長期的な資金を調達したい場合や手数料の負担が資金繰りを圧迫する可能性がある場合は、ほかの資金調達手段を検討したほうがよいでしょう。

赤字決算の企業がファクタリングを選ぶ際のポイント

審査基準や資金化までの時間などは、ファクタリング会社によって異なります。そこで、赤字決算の企業がファクタリングを選ぶ際の主なポイントを紹介します。

  • 赤字決算企業に対する買取実績があるファクタリング会社を選ぶ
  • ノンリコース契約のファクタリングを選ぶ
  • 資金化までの時間が短いファクタリングを選ぶ

赤字決算企業に対する買取実績があるファクタリング会社を選ぶ

赤字決算の企業に対する買取実績があるファクタリングを選ぶと、スムーズな資金調達につながる可能性があります。

ファクタリング会社によっては、赤字決算や債務超過、税金の未納があっても買取を検討できる場合があり、実際に買取事例を掲載しているところもあります。

いっぽうで、税金や社会保険料の未納がある場合は買取不可としているファクタリング会社もあるため、事前に利用条件を確認しましょう。

ノンリコース契約のファクタリングを選ぶ

ファクタリングを利用する際は、原則として償還請求権のない「ノンリコース契約」を結ぶため、売掛金を回収できなくなっても支払義務は発生しません。

しかし、ファクタリングと称していても、償還請求権が設定されている場合があります。償還請求権ありの契約では、売掛金を回収できなくなった場合に利用者がその金額を支払わなければならず、経営状況の悪化につながりかねません。

なお、償還請求権ありのファクタリングは、実質的に「融資」とみなされる可能性があります。その場合、貸金業登録のない業者が提供していると、違法行為に該当することもあります。

資金化までの時間が短いファクタリングを選ぶ

資金調達までのスピードは、ファクタリングを選ぶ際の重要なポイントのひとつです。

特に赤字決算の企業にとっては、売掛金を迅速に資金化することで、急な支払いや一時的な運転資金の不足に対応でき、経営の安定化につながります。

スムーズに資金調達しやすいファクタリングには、一般的に以下のような特徴があります。

  • 最短即日の資金化に対応している
  • 申込みから契約までオンラインで完結する
  • 提出書類が少ない

赤字決算でファクタリングを利用できないケース

赤字決算や債務超過であっても、ファクタリングの審査に落ちる直接的な原因にはなりません。

しかし、買取の可否は、売掛先の経営状況や利用者自身の信用力など、さまざまな項目から総合的に判断されるため、ファクタリングを利用できないケースもあります。

一般的に、以下のようなケースに該当すると、ファクタリングの審査に通過できない可能性があります。

  • 売掛先の経営状況がよくない
  • 支払期日までの期間が長い
  • 利用者の信用力に問題がある
  • 架空債権や二重譲渡の疑いがある

赤字決算時にファクタリングを利用する際の注意点

赤字決算でファクタリングを利用する際には、経営状況の悪化やトラブルを避けるため、以下の2点を押さえておきましょう。

  • 悪徳業者に気をつける
  • 他の資金調達方法と併用する

悪徳業者に気をつける

ファクタリングを装っていても、実質的に貸金業法に該当するサービスを提供し、違法な高金利で貸付を行う悪徳業者も存在します。

こうした「偽装ファクタリング」を利用してしまうと、高額な手数料を請求されたり、過剰な取り立てを受けたりするリスクがあります。

契約を結ぶ際は、契約書の内容を十分に確認し、手数料が著しく高額でないか、ノンリコース契約である旨が明記されているかなどをしっかり確認しましょう。

他の資金調達方法と併用する

一般的に、ファクタリングは短期的な資金繰りを改善するのに適した手段です。そのため、赤字経営を根本的に解決するためには、ファクタリングだけに頼らず、他の資金調達方法と併用しながら経営の立て直しや安定化を図ることが大切です。

検討できる主な資金調達手段には、以下のようなものがあります。

  • ビジネスローン
  • 不動産担保ローン
  • 補助金・助成金
  • リースバック

AGビジネスサポートのファクタリングは赤字決算でも買取の検討が可能

AGビジネスサポートの「売掛債権ファクタリング」は、契約まで来店不要で手続きができ、最短即日の資金化に対応しています。

売掛先に重点をおいた独自の審査を実施しており、赤字決算がある場合でも、買取の検討が可能です。

2社間ファクタリングであれば、原則として売掛先への連絡はありません。さらに、AGビジネスサポートでは取引先様の破綻リスクを負担する「ノンリコース契約」を結びます。

売掛債権をお持ちの国内法人様・個人事業主様は、ぜひAGビジネスサポートの売掛債権ファクタリングをご検討ください。

ファクタリングを活用して赤字経営の改善を図ろう

ファクタリングは売掛金の買取であり、売掛先の信用力に重点をおいた審査が実施されます。そのため、赤字決算や債務超過の状態にある企業でも資金調達できる可能性があります。

ファクタリングを利用することで早期に資金繰りを改善でき、売掛金の未回収リスクを回避することも可能です。

ただし、ファクタリングはあくまで一時的な資金確保の手段です。ファクタリングだけに依存するのではなく、他の資金調達手段と併用しながら赤字経営の改善に取組みましょう。

ファクタリング
竹下 昌成

この記事の監修者

竹下 昌成

竹下FP事務所代表、㈱メディエス代表取締役、TAC専任講師。兵庫県西宮市在住、昭和46年生まれ。立教大学卒業後、池田泉州銀行、日本GE、タマホームなどを経て現職。タマホームFPとして600件超のFP相談実績あり。サラリーマン投資家として不動産賃貸業をスタート、それだけで生活できるようになったので卒サラ。現在は大家業をメインに講師や執筆活動、相談業務でのんびりと過ごしています。得意分野は不動産投資や住宅購入など。お気軽にご相談ください。

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貸付条件を確認し、借りすぎに注意しましょう。

ファクタリングは赤字決算でも利用できる?理由やメリット・デメリットを解説

ファクタリングは赤字決算でも利用できる?理由やメリット・デメリットを解説

更新日:2025-10-30