固定資産税は、土地や建物などの所有者に毎年課される税金です。
納付を忘れると、納期限の翌日から延滞金が発生し、滞納が続けば督促状や催告状が届くことがあります。そのまま放置すると、預貯金や給与、不動産などが差し押さえられるおそれもあります。払い忘れに気づいたときは、納付書や滞納額を確認し、早めに納付するか自治体へ相談して対応を進めましょう。
本記事では、固定資産税を払い忘れた際の流れ、延滞金の支払方法、納付が難しいときの対処法を解説します。
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目次
固定資産税とは固定資産税を払い忘れた場合に発生する延滞金
固定資産税を払い忘れた場合の手続きの流れ
固定資産税が払えない場合の対処法7つ 固定資産税を払えない時はリースバックも選択肢 固定資産税を払えない場合は早めに対処しよう固定資産税の払い忘れに関するよくある質問
この記事で学べるポイント
- 土地・建物の所有者に毎年かかる固定資産税の仕組みと、納税通知書や課税明細書の見方
- 固定資産税の納付時期や納期限、年4回などの納付回数を把握する際の注意点
- 固定資産税を払い忘れたときに発生する延滞金の計算の考え方と、納付時に確認しておきたいこと
- 督促状の送付から財産調査、差し押さえ、公売・取立てまで進む滞納手続きの流れ
- すぐに納付できないときに相談したい自治体の窓口や、猶予・分割納付など利用を検討できる制度
固定資産税とは
固定資産税とは、所有する固定資産に課される税金です。固定資産税の納付義務は、毎年1月1日時点で土地や家屋、償却資産などを所有する方に発生します。固定資産税は地方税のため、お住まいの自治体が納付先です。
固定資産税の税額は、所有する資産の価値に応じて算出されます。基本的な算出方法は以下です。
- 固定資産税の税額=課税標準額×標準税率(1.4%)
課税標準額は固定資産税を算出する基礎となる金額です。課税標準額は、課税明細書や固定資産課税台帳などで確認できます。
固定資産税を納付するタイミング
固定資産税は、一般的に年4回に分けて納付します。
たとえば東京23区の令和8年度(2026年度)は、第1期6月30日、第2期9月30日、第3期12月28日、第4期令和9年3月1日が納期限です。
納付時期や納期限は自治体によって異なるため、届いた納税通知書を確認しておくとよいでしょう。
固定資産税を払い忘れた場合に発生する延滞金
固定資産税を払えないと、納期限の翌日から延滞金が発生します。延滞金の計算方法は以下のとおりです。
- 延滞金=固定資産税額×延滞日数×延滞金の割合÷365
延滞金は、固定資産税の金額に延滞日数と延滞金の割合をかけ、365日(うるう年の場合も365日)で割って計算します。
注意点は、延滞金の割合は延滞した期間によって異なる点です。令和8年中の場合は、納期限の翌日から1か月を経過する日まで年2.8%、その後納付の日まで年9.1%の割合が適用されます。
たとえば、2024年6月30日が納期限の固定資産税100,000円を100日間滞納した場合を考えてみましょう。延滞金の計算例は次のとおりです。
| 滞納した期間 | 延滞金の計算例 |
|---|---|
| 2024年7月1日から2024年7月31日までの期間(31日間) | 100,000円×31日×0.028÷365=約237円(1円未満の端数切捨) |
| 残りの期間(69日間) | 100,000円×69日×0.091÷365=約1,720円(1円未満の端数切捨) |
| 合計 | 1,957円(100円未満の端数切捨) |
延滞期間が長くなると、延滞日数だけでなく延滞金の割合も高くなる点に注意しましょう。
なお、延滞金の割合は2000年1月1日以降特例が適用されており、適用される割合は毎年見直されています。
固定資産税の延滞金の支払方法
固定資産税の延滞金は、納付書を使って支払うのが一般的です。主な納付場所は、自治体の窓口、金融機関、郵便局、コンビニエンスストアなどです。
ただし、利用できる納付方法は自治体や納付書の種類によって異なります。納期限を過ぎたものやバーコードのない納付書は、コンビニで使えないことがあります。
スマホ決済アプリや地方税お支払サイトに対応しているケースもありますが、延滞金分は別途納付書が送付されることもあります。
納付書の紛失や支払先が不明なときは、固定資産がある地域の固定資産税の担当部署(東京23区は都税事務所、その他の地域は市区町村の窓口・市税事務所など)へ問い合わせておくと安心です。
固定資産税を払い忘れた場合の手続きの流れ
固定資産税が払えない状態が続くと、市町村(東京23区は東京都)では段階的に催告や滞納処分の手続きが行われます。手続きの流れは以下のとおりです。
- 督促状が届く
- 財産調査が行われる
- 財産が差し押さえられる
- 財産の公売や取立てがなされる
最終的には財産が差し押さえられる場合があるため、できるだけ早く対処しましょう。各手続きの詳しい内容を紹介します。
①督促状が届く
固定資産税を納期限内に納付できない場合、対象となる資産のある市町村から督促状が送付されます。督促状は、地方税法で納期限後20日以内の送付が義務付けられている書類です。
固定資産税を支払い忘れていた、納期限を勘違いしていた場合は、督促状が届いたらすぐに固定資産税を納付しましょう。
督促状が届いたあとも固定資産税が納付されない場合、市町村から催告状が送付されます。市町村によっては、滞納している方への電話や訪問による催告が行われる場合もあります。
なお、督促状が届いた後に固定資産税を納付する場合、督促手数料(100円)や延滞金が加算される場合もあるため、注意しましょう。延滞金の詳細は後述しているので、併せてご確認ください。
②財産調査が行われる
法律では、督促状を発送した日から起算して10日を経過しても固定資産税が納付されない場合、財産を差し押さえなければならないとしています。財産を差し押さえ、場合によっては公売する一連の流れは「滞納処分」と呼ばれる強制的な徴収手続きです。
督促状の送付や催告が行われても固定資産税が納付されない場合、市町村は滞納している方の財産調査を実施します。
財産調査の対象は、勤務先や取引先、官公署や金融機関、生命保険会社や通信会社、滞納している方の財産を占有している第三者などです。対象となる財産には、給与や預貯金、自動車や生命保険、不動産や動産、売掛金などが挙げられます。
滞納処分の財産調査は、国税徴収法第141条、第142条から第147条までの規定に基づく手続きです。財産調査は、滞納されている方の事前の了承を得ることなく行えます。
③財産が差し押さえられる
財産調査で差し押さえる財産が決定され、この段階でも固定資産税が納付されない場合、財産の差し押さえが実施されます。
たとえば、給与や預貯金の差し押さえの場合は、勤務先または口座のある金融機関へ差押通知書が送付されます。不動産の場合は、登記簿上の権利者に差押通知書が送付され、その後の売買や贈与が禁止される仕組みです。
差し押さえの対象には、電化製品や宝石、絵画などの動産も含まれます。金銭的価値があり、換価が可能なものはすべて差し押さえの対象となるため注意しましょう。
④財産の公売や取立てがなされる
差し押さえられた財産は、公売や取立ての手続きで現金へと換価され、滞納している固定資産税に充てられます。
公売は、差し押さえた自宅の土地や建物、自動車、貴金属を入札などの方法で売却する手続きです。給与や預貯金、生命保険などの債権は、取立ての手続きで強制的に徴収されます。
固定資産税が払えない場合の対処法7つ
固定資産税が払えない状態が続くと、滞納処分の手続きが行われるほか、延滞金が加算されます。何らかの理由で固定資産税を払えない時は、以下の対処法を試しましょう。
- お住まいの自治体の窓口に相談する
- 徴収猶予を申請する
- 換価の猶予を申請する
- 災害などによる納期限の延長を申請する
- 減免を申請する
- 分割納付を相談する
- 固定資産を売却する
各対処法の詳細を解説します。
①お住まいの自治体の窓口に相談する
固定資産税を払うための資金的な余裕がない時は、早めにお住まいの自治体の窓口で相談しましょう。
何らかの事情で固定資産税を払えない場合、徴収猶予や換価の猶予などの制度を利用できる場合があります。
ご自身のケースで各制度を利用できるのか、どのような手続きが必要なのかを知るためにも、固定資産税を払えない状況にあるとわかった時点での相談をおすすめします。
②徴収猶予を申請する
徴収猶予は一定の要件を満たす場合に最長1年間、固定資産税の徴収が猶予される制度です。徴収猶予が受けられる要件には、たとえば以下のケースが挙げられます。
- 財産の盗難に遭った
- 財産が災害で損害を受けた
- 納税者や生計を同じくする家族が病気にかかり、多額の医療費がかかった
- 事業を廃止した
- 事業で著しい損失が生じた
なお、猶予の要件に該当する事実が盗難や災害、病気などの場合は、猶予期間中は延滞金が免除されます。事業の廃止や損失などの場合、延滞金は一部が免除される場合があります。
③換価の猶予を申請する
「換価の猶予」は、すでに差し押さえられた財産の売却や取立てが猶予される制度です。
固定資産税を納付すると生活の維持が困難になる、事業が継続できなくなる可能性がある場合、新たな差し押さえが猶予されたり、差し押さえが解除されたりする場合があります。
なお、換価の猶予は申請手続きが必要であり、申請の期限は納期限から原則6カ月以内です。猶予を希望する場合は各自治体のホームページなどで申請基準を確認したうえで、期限が過ぎないように早めに申請しましょう。
④災害などによる納期限の延長を申請する
台風や洪水、地震などのやむを得ない理由がある場合、各自治体では納期限の延長に対応していることがあります。
災害に遭った時は、日々の暮らしや生活環境の復旧に時間がかかり、場合によっては、移動や通信も困難になるでしょう。そのような場合は、災害などの理由が収束したら速やかに納期限の延長を相談してみましょう。
⑤減免を申請する
災害に遭った場合や生活保護法の生活扶助を受けている場合などは、固定資産税の減免を受けられる場合があります。
減免の対象となるのは、災害や天候不順で収穫が大幅に減少した田畑、災害によって損害を受けた土地や家屋、生活扶助を受けている方の土地や家屋などです。減免を受けたい時は、自治体の窓口に必要な書類を提出しましょう。
⑥分割納付を相談する
固定資産税を支払えない場合、自治体へ相談すると分割納付できる可能性があります。分割納付は、一度に全額納付すると生活に影響が出る時に役立つ方法です。
ただし、分割納付は法令上で規定された納付方法ではなく、各自治体が納付者の事情を考慮して実施する措置です。場合によっては、分割納付ができないケースもあるため注意しましょう。
⑦固定資産を売却する
徴収猶予や分割納付でも固定資産税の納付が難しい時は、固定資産の売却も選択肢のひとつです。財産を差し押さえられて競売にかけられるよりも、高い価格で売却できる可能性があります。
また、固定資産を売却すれば、その後、固定資産税を納付する必要がなくなる点もメリットです。
ただし、自宅を売却すると、新しい住居への引越しが必要になります。家や土地の売却には査定や買い手探しなど多くのプロセスがあり、代金を受取るまで時間や手間がかかる点にも注意が必要です。
リースバック
固定資産税を払えない時はリースバックも選択肢
固定資産税は毎年納付義務のある税金です。今後の納付に不安がある時は、リースバックを検討してみましょう。リースバックの仕組みやメリット、注意点を解説します。
リースバックとは
リースバックは、家や土地を売却し、その後は毎月家賃を支払って住み続ける仕組みです。
リースバックを活用すると家や土地の所有権は第三者に移りますが、同時に賃貸借契約を結ぶため、売却後に引っ越す必要がありません。売却代金の使いみちは自由で、固定資産税の納付に充てられます。
リースバックのメリット
リースバックは、通常の売却方法と比較すると手続きが短期間で終了します。固定資産税の納付をはじめ、急にお金が必要になった場合にも対応しやすい仕組みです。
また、リースバック後は固定資産税や火災保険料を支払う必要がありません。支払いが不要になる費用の例は以下です。
- 固定資産税
- 火災保険料(躯体関係)
- 管理費
- 修繕積立金
固定資産の維持に必要な費用が少なくなり、負担が軽減されるメリットがあります。
なお、設備の修繕費は借主負担が一般的です。通常の賃貸借契約と同様、退去時に原状回復費用がかかる場合もあります。
リースバックの注意点
リースバックの買取価格は、60%~80%が目安です。実際の価格は築年数や地域の相場、設備状況などで異なりますが、通常よりも低めの傾向がある点に注意しましょう。
売却後は家賃が発生する点も注意点です。住み続けたい期間の家賃を支払えるか、ご自身の収入や支出を考慮して、事前にシミュレーションしておきましょう。
また、オーバーローンの場合は、売却しても住宅ローンを完済できないため、売却できない可能性があります。オーバーローンについては以下の記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
固定資産税を払えない場合は早めに対処しよう
固定資産税は、1月1日時点の所有者に対して毎年発生する税金で、土地や建物を所有している場合必ず支払う義務が発生します。自宅の固定資産税を払えないままでいると、自治体から督促状や催告状が送付されます。
督促状や催告状の送付を受けても固定資産税を延滞した場合、財産の差し押さえや競売がなされる場合もあるので注意が必要です。
自治体では、何らかの事情があって固定資産税を払えない方へ向けて、徴収猶予や換価の猶予を設けています。それぞれ申請が必要な手続きのため、早めにお住まいの自治体の窓口で相談しましょう。
なお、固定資産税を含め、自宅の維持には費用がかかります。住宅ローンの返済を抱えている場合もあるでしょう。自宅の維持が負担だが住み慣れた環境を変えたくない方は、「リースバック」の活用もご検討ください。
リースバックは自宅を売却して現金化し、その後は家賃のお支払いでそのまま住み続ける仕組みです。自宅を売却した代金を受取れ、生活資金やローンの返済に充てられます。
売却した後もこれまで通り住み続けられるうえに、固定資産税や都市計画税などの税金を支払う必要がなくなるのも大きなメリットです。
リースバック後は所有権がリースバック事業者へと移りますが、買戻しに関する契約を設けると将来的な買い戻しが可能な場合もあります。
AG住まいるリースバックでは、WEBでの無料査定や資料請求を受け付けています。フリーダイヤル(0120-933-651、平日9:30~18:00)での相談も可能です。リースバックに興味のある方は、ぜひAG住まいるリースバックにお問合せください※。
※
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固定資産税の払い忘れに関するよくある質問
固定資産税の延滞金はいつから発生しますか?
固定資産税の延滞金は、原則として納期限の翌日から発生します。納付が遅れるほど延滞日数が増え、一定期間を過ぎると適用される延滞金の割合も高くなるため、負担がさらに増えます。
払い忘れに気づいた時点で、早めの納付や自治体への相談を検討しましょう。
固定資産税を払い忘れたら何日以内に支払えばいいですか?
何日以内に支払えばよいという一律の猶予期間はありません。納期限を過ぎたまま滞納を放置すると、延滞金だけでなく、督促や差し押さえにつながるおそれもあります。
払い忘れに気づいた時点で、早めに納付するか、自治体へ相談してください。
固定資産税の延滞金はコンビニで支払えますか?
自治体や納付書の種類によっては、固定資産税の延滞金をコンビニで支払える場合があります。ただし、納期限切れやバーコードのない納付書は、コンビニでは使えません。
利用前に、納付書や自治体の案内を確認するとよいでしょう。
監修者からの一言
固定資産税を払い忘れたときは、すぐに納付できなくても放置せず、まず自治体へ相談することが必要です。固定資産税は、不動産を保有する限り原則として毎年かかる税金です。今後の支払いに不安がある方は、家計の支出見直しも進めておきましょう。
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