マイホームを持つと、固定資産税が毎年かかります。
税額は自治体が算定する評価額や、土地・建物の種類、築年数、軽減措置の有無によって変わるため、購入前に大まかな金額を把握しておくことが大切です。住宅ローンの返済に加えて年間の税負担が想定より大きいと、家計に影響する可能性があります。
この記事では、固定資産税の基本的な計算方法、一戸建て・マンション別の税額の目安、シミュレーション、納付方法や負担を抑える方法を解説します。
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目次
固定資産税とは?税額の目安はいくら?
固定資産税の基本の計算方法
固定資産税の軽減措置【物件タイプ別】固定資産税額の計算シミュレーション
固定資産税の納付方法・時期 固定資産税の負担を抑える方法 持ち家の税負担を減らす場合は「リースバック」も検討 固定資産税とあわせて納める「都市計画税」も把握しておこう 固定資産税の負担額を把握しようこの記事で学べるポイント
- 固定資産税の仕組みと、課税対象になる土地・家屋・事業用の償却資産の基本
- 一戸建て・マンション別の固定資産税額の目安と、所在地や築年数などで差が出る主な要因
- 土地・建物それぞれの計算方法と、評価額・課税標準額・税率の見方
- 住宅用地の特例や新築住宅の減額措置など、税額に影響する主な軽減措置の概要
- 物件タイプ別のシミュレーションと、納付方法・納付時期・売買時に確認したい費用負担
固定資産税とは?税額の目安はいくら?
固定資産税の対象には、土地や家屋のほか、事業用の償却資産などがあります。
毎年1月1日時点の所有者に課され、税額は評価額や軽減措置の有無によって変わります。住宅の場合、一戸建てとマンションで税額の目安に違いがあります。
一戸建ての相場
一戸建ての固定資産税は、年間10万~20万円がひとつの目安です。ただし、実際の税額は物件ごとに異なり、土地の広さや所在地、建物の構造、仕様、築年数などによって差が出ます。
土地部分は、地価が高いエリアほど評価額が高くなりやすく、住宅用地の特例の適用範囲や軽減割合によっても税負担が変わります。
建物部分は、固定資産評価基準に基づき、再建築価格や経年減点補正率などを反映して評価されます。
新築時は評価額が高めに算定され、床面積が広い住宅や設備仕様が充実した住宅では固定資産税も大きくなります。なお、一定の要件を満たす新築一戸建てでは、建物部分の固定資産税の減額措置を受けられる場合があります。
マンションの相場
マンションの固定資産税は、年間10万〜25万円がひとつの目安です。実際には、専有面積が近い物件であっても、所在地や建物の構造・規模、築年数、階数による補正の有無、敷地や共用部分の扱いによって税額に差が出ます。
土地部分は、一戸建てと比べて各住戸の土地持分が少なくなるのが一般的です。ただし、駅近や都心部など地価の高いエリアでは、持分割合が小さくても土地部分の負担が大きくなる場合があります。
建物部分は、鉄筋コンクリート造などの場合、木造と比べて評価額が下がりにくく、共用部分を按分した部分も含めて評価されます。
そのため、築年数が経過しても税額の下がり方が緩やかなケースがあります。一定の要件を満たす新築マンションは、建物部分の固定資産税の減額措置の対象です。
固定資産税の基本の計算方法
持ち家として土地と建物を所有している場合、土地と建物は別々の固定資産として評価され、それぞれに固定資産税が課税されます。つまり、持ち家にかかる固定資産税額は、土地の固定資産税額と建物の固定資産税額を足した金額です。
- 持ち家の固定資産税額=土地の固定資産税額+建物の固定資産税額
また、土地と建物の固定資産税額は、それぞれ課税標準額に税率をかけて求めます。標準税率は1.4%ですが、条例で標準税率とは異なる税率を定めている自治体もあるため、ホームページなどで確認しましょう。
土地と建物に分けて、固定資産税額を求める方法をそれぞれ解説します。
①土地の固定資産税額
土地の固定資産税額の計算式は、以下のとおりです。
- 土地の固定資産税の税額=課税標準額×税率(標準税率1.4%)※
課税標準額は、固定資産評価基準に基づいて算出される評価額をもとに決まり、原則として3年ごとに見直しが行われます。土地の場合、地価公示価格の7割が評価額の目安です。
また、原則として「評価額=課税標準額」となりますが、特例措置や負担調整措置の適用がある場合は、適用後の額が課税標準額となります(特例措置に関しては後述)。
なお、負担調整措置とは、評価額が急激に上昇した場合でも税額の上昇がゆるやかになるよう、課税標準額を徐々に本来の額に近づける仕組みです。
※
2025年8月時点の情報です。
②建物の固定資産税額
建物も土地と同様に、課税標準額に税率をかけて求めます。計算式は以下です。
- 建物の固定資産税の税額=課税標準額×税率(標準税率1.4%)
建物の場合、課税標準額のもとになる評価額は、再建築価格に経年減点補正率などを乗じて算出されます。
| 再建築価格 | 同一の建物を、評価時点で同じ場所に新築する場合に必要と見込まれる建築費 |
|---|---|
| 経年減点補正率 | 年数の経過に伴って生じる減価を評価額に反映するための率 |
一般的に、評価額の目安は建築費の5~7割程度です。
※
2025年8月時点の情報です。
固定資産税の軽減措置
固定資産税には、納税者の負担を軽減するための特例措置が設けられています。ただし、特例の適用を受けるためには、いずれも一定の要件を満たす必要があります。
| 土地 |
|
|---|---|
| 建物 |
|
税額に大きく影響するため、正確に把握しておきましょう。
【土地】住宅用地の特例措置
固定資産税の住宅用地の特例は、一戸建て・マンションのどちらにも適用されます。住宅の敷地として使われている土地が対象となるため、新築住宅の減額措置のように、物件タイプによって適用年数が変わるものではありません。
ただし、住宅用地に該当しなくなると、特例の対象外となります。
【建物】新築住宅の減額措置(一般住宅)
一般住宅の新築住宅に対する減額措置は、一戸建てとマンションで適用期間が異なります。
一定の要件を満たす場合、一戸建てでは新たに課税される年度から3年度分、3階建て以上の耐火・準耐火建築物に該当するマンションなどでは5年度分適用されます。
【建物】新築住宅の減額措置(認定長期優良住宅)
認定長期優良住宅では、一般住宅よりも減額期間が長くなります。
一定の要件を満たす場合、一戸建てでは新たに課税される年度から5年度分、3階建て以上の耐火・準耐火建築物に該当するマンションなどでは7年度分適用されます。
【建物】住宅の改修に伴う固定資産税の減額措置
2031年3月31日までに住宅のリフォームを行った場合、固定資産税の減額措置を受けられる制度があります。対象となる工事と減額割合は、それぞれ以下です。
| 対象工事 | 減額割合 |
|---|---|
| 耐震 | 2分の1 |
| バリアフリー | 3分の1 |
| 省エネ | 3分の1 |
| 長期優良住宅化 | 3分の2 |
改修工事の内容や建物の要件、減税措置の適用を受けるための申告期限などが細かく決まっているため、各市町村のホームページなどで確認しましょう。
※
2026年7月時点の情報です。
【物件タイプ別】固定資産税額の計算シミュレーション
固定資産税額は、物件タイプや築年数、土地・建物の評価額、軽減措置の有無によって変わります。
ここでは、新築一戸建て、中古一戸建て、新築マンションに分けて、税額の目安を試算します。
新築一戸建ての場合の固定資産税額シミュレーション
新築一戸建てでは、土地と建物の評価額に加え、住宅用地の特例や新築住宅の減額措置の有無によって固定資産税額が変わります。
以下の条件で試算します。
前提条件
- 床面積:100㎡
- 地価公示価格:1,200万円
- 建物の建築費:2,000万円
- 税率:1.4%(標準税率)
- 特例措置:住宅用地の特例、新築住宅の減額措置
※
上記以外の項目(負担調整措置、都市計画税、自治体独自の軽減措置など)は考慮していません。
土地の固定資産評価額は、1,200万円×70%=840万円とします。
住宅用地の特例を適用すると、課税標準額は840万円×1/6=140万円です。
- 土地の固定資産評価額:1,200万円×70%=840万円
- 住宅用地の特例適用:840万円×1/6=140万円
- 土地の固定資産税額:140万円×1.4%=19,600円
次に、建物の固定資産税額を求めます。
ここでは、建物の固定資産評価額を建築費の6割と仮定します。
- 建物の固定資産評価額:2,000万円×60%=1,200万円
- 建物の固定資産税額:1,200万円×1.4%=168,000円
一定の要件を満たす新築一戸建てでは、新たに課税される年度から3年度分、建物部分の固定資産税額が2分の1に減額されます。
- 建物の固定資産税額(減額措置適用中):168,000円×1/2=84,000円
土地と建物を合計すると、固定資産税額は187,600円です。
減額措置適用中は、建物部分の税額が84,000円となるため、固定資産税額は103,600円です。
固定資産税額
- 19,600円(土地)+168,000円(建物)=187,600円
固定資産税額(減額措置適用中)
- 19,600円(土地)+84,000円(建物)=103,600円
このケースでは、固定資産税額は187,600円、新築住宅の減額措置を受けている期間は103,600円が目安です。実際の税額は、土地・建物の評価額や軽減措置の適用状況などによって異なるため、購入前に確認しておきましょう。
中古一戸建ての場合の固定資産税額シミュレーション
中古一戸建てでは、土地と建物の評価額に加え、住宅用地の特例や建物の築年数によって固定資産税額が変わります。
以下の条件で試算します。
前提条件
- 床面積:100㎡
- 地価公示価格:1,200万円
- 建物の固定資産評価額:600万円
- 税率:1.4%
- 特例措置:住宅用地の特例
※
上記以外の項目(負担調整措置、都市計画税、自治体独自の軽減措置など)は考慮していません。
土地の固定資産評価額は、1,200万円×70%=840万円とします。
住宅用地の特例を適用すると、課税標準額は840万円×1/6=140万円です。
土地の固定資産税額
- 140万円×1.4%=19,600円
次に、建物の固定資産税額を求めます。中古一戸建てでは、築年数の経過により建物の評価額が下がっているケースがあります。
ここでは、建物の固定資産評価額を600万円と仮定します。
建物の固定資産税額
- 600万円×1.4%=84,000円
土地と建物を合計すると、固定資産税額は103,600円です。
固定資産税額
- 19,600円+84,000円=103,600円
このケースでは、固定資産税額は103,600円が目安です。
ここでは、住宅用地の特例のみを適用し、建物部分の減額措置などは考慮していません。実際の税額は、土地・建物の評価額や築年数、住宅用地の特例や各種減額措置の適用状況などによって変わります。
新築マンションの場合の固定資産税額シミュレーション
新築マンションでは、土地と建物の評価額に加え、住宅用地の特例や新築住宅の減額措置の有無によって固定資産税額が変わります。土地は敷地全体を所有者ごとの持分で按分し、建物は専有部分に共用部分の持分を加味して評価されます。
以下の条件で試算します。
前提条件
- 専有面積:70㎡
- 土地の固定資産評価額(持分相当):420万円
- 建物の固定資産評価額:1,500万円
- 税率:1.4%
- 特例措置:住宅用地の特例、新築住宅の減額措置
※
上記以外の項目(負担調整措置、都市計画税、自治体独自の軽減措置など)は考慮していません。
土地の固定資産評価額(持分相当)は420万円とします。
住宅用地の特例を適用すると、課税標準額は420万円×1/6=70万円です。
土地の固定資産税額
- 70万円×1.4%=9,800円
次に、建物の固定資産税額を求めます。
ここでは、建物の固定資産評価額を1,500万円と仮定します。
建物の固定資産税額
- 1,500万円×1.4%=210,000円
一定の要件を満たす新築マンションでは、新たに課税される年度から5年度分、建物部分の固定資産税額が2分の1に減額されます。
建物の固定資産税額(減額措置適用中)
- 210,000円×1/2=105,000円
土地と建物を合計すると、固定資産税額は219,800円です。
減額措置適用中は、建物部分の税額が105,000円となるため、固定資産税額は114,800円です。
固定資産税額
- 9,800円+210,000円=219,800円
固定資産税額(減額措置適用中)
- 9,800円+105,000円=114,800円
このケースでは、固定資産税額は219,800円、新築住宅の減額措置を受けている期間は114,800円が目安です。
実際の税額は、土地・建物の評価額や専有面積、土地持分、共用部分の扱い、軽減措置の適用状況などによって変わるため、購入前に確認しておきましょう。
固定資産税の納付方法・時期
固定資産税は、毎年1月1日時点の所有者に課税され、納税通知書もその所有者に送付されます。
年の途中で売買した場合でも納税義務者は変わりませんが、実務上は引渡日を基準に売主・買主で日割り精算するケースがあります。
納付手段
多くの市町村では、金融機関での納付や口座振替に加えて、キャッシュレス決済にも対応しています。主な納付手段は以下です。
- 金融機関の窓口
- コンビニエンスストア
- 口座振替
- スマホ決済アプリ
- クレジットカード決済
- Pay-easy(ペイジー)
クレジットカード納付は、金融機関やコンビニに出向くことなくいつでも支払いができ、クレジットカードによってはポイントが付与されることもあります。
ただし、納付金額に応じてシステム利用料がかかる点を考慮して検討しましょう。
スマホ決済アプリはスマホひとつで利用でき、原則として決済手数料もかかりませんが「請求書1枚あたり30万円まで」などの決済上限額が設けられている場合があります。
固定資産税の負担を抑える方法
固定資産税は毎年発生するうえに、一度に支払う金額も比較的大きいため、家計への影響も小さくありません。そこで、固定資産税の負担を抑える方法を解説します。
- 減税措置の適用を受ける
- 自治体独自の減免制度を利用する
- 固定資産税を滞納しない
減税措置の適用を受ける
前述のとおり、固定資産税には減税措置が設けられており、一定の要件を満たすと「住宅用地の特例」や「新築住宅の減額措置」などの適用を受けられます。
適用を受けるための要件がそれぞれ決まっており、利用にあたり申告が必要なものもあるため、あらかじめ把握したうえで確実に手続きしましょう。
自治体の減免制度を利用する
特別な事情があり納付が困難な場合、申請によって固定資産税が軽減または免除される場合があります。
減免制度の対象となるのは、生活扶助を受けている方や災害の被害を受けた方、一定の要件を満たす65歳以上の方などです。自治体によって要件が異なるため、詳しくは各自治体に相談しましょう。
固定資産税を滞納しない
固定資産税を滞納すると、本来の税額とは別に延滞金を支払わなければなりません。延滞金の割合は以下のように決まっており、滞納が1ヶ月以上続くとさらに負担が重くなります。
| 納期限の翌日からの期間 | 延滞金の割合 |
|---|---|
| 1ヶ月を経過するまでの間 | 年2.8% (2026年12月31日まで) |
| 1ヶ月を経過した日以後 |
年9.1% |
最終的には不動産や給与、預貯金などの財産を差し押さえられる可能性もあるため、滞納には十分に気を付けましょう。
※
2026年7月時点の情報です。
持ち家の税負担を減らす場合は「リースバック」も検討
固定資産税は、持ち家を所有している限り、継続的に支払わなければならない維持費のひとつです。
固定資産税の負担を軽くする方法のひとつとして、近年「リースバック」への注目が高まっています。
リースバックとは、自宅をリースバック事業者に売却して、まとまった資金を受取ると同時に、賃貸借契約を結ぶことで売却した家に住み続けられるサービスです。
売却後は家賃を支払う必要がありますが、所有権がリースバック事業者に移るため、固定資産税や都市計画税、マンションの管理費・修繕積立金などの負担がなくなります。
また、売却資金の使いみちは問われないため、老後の生活費やローンの返済、相続税の納税資金など、幅広い目的で利用できます。
ただし、家賃の支払いが困難な場合は退去を求められるなど注意点もあります。
以下の記事では、リースバックの仕組みやメリット、注意点などを詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
固定資産税とあわせて納める「都市計画税」も把握しておこう
固定資産税の負担額を正しく把握するためには、固定資産税とあわせて納める「都市計画税」も確認しておく必要があります。
都市計画税とは、都市計画事業または土地区画整理事業の費用として課税される地方税で、毎年1月1日時点で原則として市街化区域内に土地や家屋を所有している方に課されます。
なお、市街化区域とは、すでに市街地を形成している、またはおおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき一定の区域のことです。
都市計画税の税額は、以下の計算式で求められます。
- 都市計画税額=課税標準額×税率(上限0.3%)※
※
市町村によって異なります。
※
2025年8月時点の情報です。
都市計画税も固定資産税と同様に、一定の要件を満たせば住宅用地の特例措置が適用されます。また、固定資産税が課税されない場合は、都市計画税も課税されません。
固定資産税の負担額を把握しよう
固定資産税は、毎年1月1日時点で土地や建物などの固定資産を所有している方に課税される地方税です。固定資産税の税額の決まり方を知り、どの程度の税負担になるかを把握しましょう。
持ち家にかかる税金の負担を抑える方法のひとつとして、リースバックを検討する方法もあります。
アイフルグループでは、住み慣れた自宅に住み続けられる「AG住まいるリースバック」を提供しています。
AG住まいるリースバックに自宅を売却いただいたあとは、固定資産税や都市計画税、マンションの管理費・修繕積立金の負担がなくなります。残高によっては利用できない可能性がありますが、住宅ローンや不動産担保ローンなどの残債があっても申込みが可能です。
リースバックに関して不明点や不安な点がある方は、ぜひ一度「AG住まいるリースバック」へご相談ください。
監修者からの一言
固定資産税は、不動産を所有する限り原則として毎年かかる費用です。マイホーム購入時は物件価格やローン返済額だけでなく、固定資産税や管理費、修繕費などの維持費も含め、購入後も無理なく支払える資金計画を立てましょう。
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