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更新 2021/04/28

入院費用が払えない場合はどうすればいいの?各種制度をわかりやすく解説

一般的な入院費用の内訳

一概に入院費用といっても、その内訳は様々です。

まずは事前知識として、入院するとどのような費用がかかるのかを確認しましょう。

◆一般的な入院費用一覧

一般的な入院費用一覧 費用相場 保険適用
医療費・治療費 治療内容による
先進医療の技術料 数千円~300万円ほど(技術により異なります)
差額ベッド代 6,188円/日※1
食費 460円/1食※2
日用品 -

※1 厚生労働省『中央社会保険医療協議会総会(第401回)議事次第 資料「総-8-2」
※2 2021年4月現在

入院費用について考える際、最も注意しておきたいのは、保険適用となるのは「医療費・治療費のみ」という点です。

医療・治療費には、「診療費・投薬料・注射料・手術料」などが該当しますが、それ以外の費用については全額自己負担となります。

特に、食費や個室利用の際などに発生する差額ベッド代の負担は、入院日数が長くなるほど負担額が膨らみます。

入院の平均費用

では実際に入院してしまった場合、どのくらいの費用が必要になるのでしょうか?

生命保険文化センター「令和元年度 生活保障に関する調査」の結果によると、直近の入院時の1日あたりの自己負担費用の平均は「23,300円」となっています。

平均入院費用

さらに、厚生労働省「平成29年患者調査の概況」によると、入院日数の全体平均は「29.3日」です。

病気や怪我の具合によって入院費用や日数はさまざまですが、単純計算すれば

23,300円×29.3日=682,690円

と、約68万円が平均的な入院費といえます。

この金額は保険適用無しの金額であるため、実際に支払う金額はもう少し小さくなりますが、目安として参考になるのではないでしょうか。

入院費用が払えない場合の対処法

病気や事故による入院は突発的であることが多く、直面して初めて「入院費用が払えるか心配」「費用を捻出する余裕がない」となってしまう人もいるかと思います。

そこで、入院費用が払えない際に利用できる各種制度をご紹介します。

高額療養費制度

高額療養費制度とは、病院での診療費が高すぎる際に、支払う費用の上限(限度額)を設けてくれる制度のことです。

上限を超えた金額は、協会けんぽの申請用紙を提出することで、差額分が払い戻しされます。

高額医療費制度

協会けんぽが定める上限額がどのように決まっているのかは、以下の表をご覧ください。

<69歳以下の方の上限額>

適用区分 ひと月の上限額(世帯ごと)
年収:約1,160万円~
標準報酬月額:83万円以上
252,600円+(医療費-842,000)×1%
年収:約770~約1,160万円
標準報酬月額:標報53万~79万円
167,400円+(医療費-558,000)×1%
年収:約370~約770万円
標準報酬月額:標報28万~50万円
80,100円+(医療費-267,000)×1%
年収:約~370万円
標準報酬月額:標報26万円以下
57,600円
住民税非課税者 35,400円

<70歳以上の方の上限額>

適用区分 ひと月の上限額(世帯ごと)
年収:約1,160万円~
標準報酬月額:83万円以上
252,600円+(医療費-842,000)×1%
年収:約770~約1,160万円
標準報酬月額:標報53万~
167,400円+(医療費-558,000)×1%
年収:約370~約770万円
標準報酬月額:標報28万~50万円
80,100円+(医療費-267,000)×1%
年収:約156~370万円
標準報酬月額:標報26万円以下
57,600円
Ⅱ 住民税非課税世帯 24,600円
Ⅰ 住民税非課税世帯(年金収入80万円以下など) 15,000円

※厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ」参照

たとえば、40代、年収370~770万円の方が、1ヶ月で100万円の医療費がかかった場合、自己負担額の上限は以下のようになります。

80,100+{(100万円-267,000)×1%}=87,430円

健康保険により自己負担額の3割である30万円を一旦病院に支払うこととなりますが、高額療養費制度により上限額が87,430円となっているため、申請後に差額分の212,570円の払い戻しを受けることができます。

高額療養費制度について

限度額適用認定証

高額療養費制度では、通常、治療費の3割にあたる自己負担額を病院窓口で支払う必要があります。

ただ、後日払い戻しされるとはいえ、自己負担額の3割を一時的に用意することが難しい場合もあるものです。

そういった際には、「限度額適用認定証」を活用しましょう。

医療費がかかると分かった段階で、あらかじめ限度額適用認定証を取得し病院に提示することで、窓口での支払いが高額療養費制度の限度額分のみとなります。

先程の、年収が370~770万円、医療費が100万円/月かかる人を例にすると、以下のように窓口での支払も約9万円程度で済むようになります。

限度額認定証の有無

ただし、限度額適用認定証の取得は申請から発行まで1週間程度はかかりますので、医療費がかかるとわかった早い段階で申請しておくことが重要です。

高額療養費制度の多数該当とは

療養を受けた月以前の1年間に3ヶ月以上の高額療養費の支給を受けた場合、4ヶ月目からは「多数該当」になり、さらに自己負担限度額が減額されます。

さきほどの例では年収約370~770万円の人が月に100万円の医療費がかかった場合の自己負担限度額は87,430円でした。

3ヶ月連続で高額療養費を利用した場合、4ヶ月目からは44,400円に限度額を軽減することができます。

多数該当について

※高額療養費制度については、条件が変更される可能性もありますので、利用前に「 全国健康保険協会のHP」をご確認ください。

傷病手当金

傷病手当金とは、会社員や公務員など健康保険の被保険者が疾病又は負傷で働けない場合に、被保険者とその家族の生活を保障するための制度です。

制度を利用するためには、以下の4つの条件を満たす必要があります。

・業務外の事由による病気やケガの療養のための休業であること
・仕事に就くことができないこと
・連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかったこと
・休業した期間について給与の支払いがないこと

支給額は給与のおおよそ3分の2で、支給開始から最長で1年6ヶ月に渡って支給されます。

ただし、この制度は自営業者など国民健康保険の加入者は利用することができません。

一部負担金免除制度

災害や失業など特別な事情によって一時的に生活が困難になったことで収入が一定の基準以下になった人に対し、一定期間に限って医療費の自己負担額(一部負担金)が減免する制度です。

世帯の実収入と基準となる生活費を比較し、生活の困窮具合に応じて3つの減免区分があります。

・免除
・減額
・徴収猶予

減免の期間は申請した月から3ヶ月ですが、必要と認められた場合はさらに3ヶ月の延長が可能です。

自立支援制度

精神疾患の治療に掛かる医療費を軽減する制度です。

都道府県や指定都市が実施主体として運用されています。

対象になるのは何らかの精神疾患(てんかんを含む)によって通院による治療を続ける必要がある状態の人です。

公的な医療保険による医療費の自己負担額は通常3割ですが、自立支援制度を併用することで、これが原則1割にまで軽減されます。

さらに、所得による区分が設けられており、所得が低いほど1ヶ月あたりの自己負担額が低くなります。

所得区分 世帯所得 負担限度額
高所得層 市町村民税:235,000円以上 対象外
中間所得層 市町村民税:
33,000円以上235,000円未満
医療保険の高額療養費
中間所得層 市町村民税課税:
以上33,000円未満
医療保険の高額療養費
低所得層 市町村民税非課税
(本人収入が800,001円以上)
5,000円
低所得層 市町村民税非課税
(本人収入が800,000円以下)
2,500円
生活保護 生活保護世帯 0円

また、統合失調症など、医療費が高額で治療を長期間にわたって続ける必要がある人は負担限度額が低くなる制度もあります。

更に詳しくは、厚生労働省「自立支援医療制度の概要」をご参照ください。

無料低額診断事業

無料低額診療事業は、病気やケガなどを理由に生計困難になる恐れのある人や経済的な理由で必要な医療を受けられない人を対象に、無料または低額な料金によって診療を行う制度です。

医療費の支払いが困難で、世帯収入が診療費の減免基準に達していることを証明できる書類(源泉徴収票・給与明細票など)を提出できる方が対象です。

生活が改善するまでの一時的な措置のため、制度を受けられるのは一定期間内に限られます。

たとえば無料診療の場合は最大で3ヶ月です。

ただし、院外処方箋による調剤薬局での負担金など、病院以外の診療費は対象外です。

分割払いの相談

上記の制度を活用してもなお、治療費を支払うことがどうしてもできない場合はどうすればいいのでしょうか。

その時は、できるだけ早く病院に分割払いの相談を持ちかけましょう。

入院費用は入院時に支払う保証金や毎月清算する入院費用に分かれています。いずれの場合も病院やケースワーカーの判断次第では分割・支払い時期の先延ばしなどの対応をしてくれる可能性があります。 

入院費用をローンで支払うことはできる?

上記でご紹介した各種制度を利用することで、医療・治療費はある程度抑えることができるでしょう。ただし、食費や差額ベッド代といった保険適用外の費用については、自前で用意するしかありません。

そこで、民間でお金を借りることができる医療ローンと呼ばれるものも存在します。

銀行など一部の金融機関では「医療ローン」などの治療費専用のローン商品があります。入院費用に関してローンを組むことは可能です。

医療ローン

また、フリーローンやカードローンも利用使途が自由であるため、入院費用の支払いに充てることは可能です。

ただし、民間のローンは公的な制度と違って利息が発生します。長期間働けないことで収入が減少している時に利息の支払いが発生することで、生活を更に圧迫することも考えられるでしょう。

入院費用に関しては、なるべく保険制度や貯蓄等で賄い、ローン商品の利用は最終手段であると考えておきましょう。

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