「CMだけが宣伝部の業務ではない」最新の技術を使ったアイフルグループのマーケティング戦略とは
アイフル“宣伝部”。CM制作部署と連想されがちだが、実はそれだけではなく、広告を効率よくインターネットやSNSに出稿するため、最新の分析技術を使い、念密な戦略を立てていることはあまり知られていない。今回は、最新技術を駆使して広告宣伝の戦略を立てている、若手社員Oに話を聞いた。
中途入社後、即戦力としてマーケティングを担う
前職では広告代理店に勤務していたO。アイフルへ入社を決めたのは二つの理由があるという。
「『業務内容」と『労働環境』です。前職が広告代理店でしたので、広告宣伝関係の仕事を探していました。その上で、経験したことがない規模で、日本トップクラスの広告代理店と仕事ができることに魅力を感じました。
また、残業時間が短いことや福利厚生が整っていることも魅力に感じました。ワークライフバランスを重要視していたので、労働環境も入社の決め手です。」
最新のマーケティング技術を使った、アイフルだからこそできる戦略
「宣伝部というとCM制作をイメージしがちですが、CMを出稿する”先”…、例えばどのSNSに、どの時間帯に、どの年齢層に広告を流すかを考えることも重要です。このような場面では念密な分析が行われており、分析は電通デジタルやGoogleといった最新ツールを有した取引先に協力いただいています。
直近では、クラスター分析という手法を用いて、借り入れニーズが見込まれる層をピックアップし、より効率的に広告を配信できるよう検証を重ねています。ユーザーの属性や検索・サイト閲覧動向などのデータをもとに、分析とグルーピングを実施した後、広告を出す条件やかける金額等の方針を決める流れとなります。
最近では、特定のグループに向け、インフルエンサーを起用した広告も制作しました。例えば、特定の『推し』がいる方に向けたコンテンツなど…。様々なインフルエンサーを取引先にピックアップしていただき、宣伝内部で「どの方を起用するのか」、「推し活コンテンツをお願いする人は誰にする?」といった話し合いを行いました。
皆さんも、インターネットで検索した際に、『この広告何度も見てる・・・』と思ったことはありませんか? YouTubeを見ていると流れてくるCMに対して、「最近調べた内容が出てきてるな~」と思ったり、商品のCMが流れてくると「これ買うような年齢層に自分のアカウントが当てはまっているんだ」といった目線になりますね。実際の構造は複雑ですが、知識があった状態で見ると目線も変わり、面白いです。
どのような層に資金ニーズがあるのかも、少しずつ見付けられています。これは、大きな進歩ではあるのですが、もちろん課題もあります。実際にお金を借りたいと思っている人のどのような行動が契約に繋がる可能性が高いのか、逆に低いのか…。より細かな分析と検証を取引先にご協力いただきながら進めています。」
分析をもって戦略を組み立てていると説明するOだが、その際、意識しているポイントが3つあると言う。
「1つ目は、共有された数字の実現性についてです。ご提案いただく内容は、様々な要素が絡む施策となります。当社の環境やクリエイティブの特徴を前提に、効果が出そうか考える必要があります。
2つ目は、提案以上の結果にするための方法を考えることです。提案内容にプラスアルファで、アイフルが持つデータや知見が活きるケースもあると思っています。どうしたら、より良い結果が出るか考えることも大事なので、進んで意見を出すようにしています。
3つ目は、数字以外のところで実施するメリットを検討することです。施策を確認する際に定量的な目線で確認することが多いですが、中には数字以外のところで実施するメリットが発生するものもあります。
こういった観点で社内の意見をまとめ、内容の協議を重ねていきます。」
提案内容を踏まえ、より良い結果を出すための対話を重要視する。そんなOに今後のキャリアについて伺った。
「やはり、広告宣伝のスペシャリストを目指していきたいです。WEBマーケティングスキルの習熟など、少し高いと感じるハードルもあります。私自身がスキルを身に着けたと思っても、周りの方に認めていただかないとスペシャリストとは言えないと思っています。 今の成長スピードは維持しつつ、上長の姿を見て今の自分に足りないものを学び、極めていきたいです。」