ゼロから始まるデザイン室の挑戦 “わくわく“をかたちにした統合報告書
ゼロから描く、グループの世界観
デザイン室で初となる「統合報告書」制作プロジェクトが立ち上がりました。
これまでのアニュアルレポートは外部パートナーと協力して進めてきましたが、今回は外部パートナーを入れずIR課とデザイン室主導で手がける初めての試みでした。
しかも、これまでのようなデザインのベースは一切なし。
まっさらな状態から始まった、ゼロベースの制作でした。
“置きにいかない!「らしさ」を、自分たちの言葉とデザインでおもいっきり描く”――
その決意をもってプロジェクトは動き出しました。
▼大まかな製作工程
ブレストで見えた「わくわく感」
さて、プロジェクトはスタートしましたが、なんといっても「当グループ初となる」統合報告書。
各部署の皆さん、意気込みが違う!
様々な方面から、純粋な希望・要望をたくさんいただきました!
― 社内の純粋なお声 ―
「置きに行くんじゃない!」
「エッジを利かせて!突き抜けて!」
「ありきたりなデザインは、いらない」
「普通ってダサイ」
「投資家に好印象を持たれるように」
「当社の中期経営計画状況は、~(長い解説)」
「楽しい会社っていうのが伝わったらいい」
「当社のIT化を表現して!でも、The ITっていうのもちょっとな~」
「●▲っぽいオブジェクト使って~」
方向性のヒントにはなるけれど、まだ具体的なビジュアルやトーンに落とし込むには材料が足りない…。
そこでまず、デザイン室でブレストを行うことにしました。配属されたばかりの新卒・中途メンバーにも参加してもらい、新しい視点をどんどん取り入れます。中期経営計画の1年目を順調に終え、M&Aで新しい仲間や事業領域も加わったタイミング。
そんな背景をふまえて、誰かがふと口にしました。
「会社の“いま”って、実はけっこう“わくわく”してない?」
その一言から、「わくわく、出会い広がる」という今回のコンセプトが生まれました。
言葉だけでなく、ひと目で社内メンバーにこのコンセプトを伝えたい。そう考え、コンセプトを伝える表紙のラフ案をあわせてスタート。
「“わくわく“ってどんなイメージ?」と話しながら、思いつくキーワードやイメージをみんなで自由に出し合いました。
そのエッセンスをまとめて、異なる2つの方向性をもつ表紙案が完成しました。
▼コンセプトにあわせて作成した2種類の表試案
キャラクターも活躍。誌面に込めた”しかけ”
検討の結果、私たちは「わくわくする未来が広がっていく」イメージを、親しみやすいトーンで表現した表紙案をベースに進めることに決めました。
統合報告書のテーマは「わくわく、出会い広がる」。
でも同時に、すでに確立されていたVMV(Vision・Mission・Value)のデザインや、キャラクターたちの世界観との整合性も大切にしなくてはなりません。そのため、誌面全体のトーンはVMVサイトと揃えた配色や世界観を軸に設計。そのうえで、“わくわく感”がより際立つように、レイアウトや見せ方にも細やかな工夫を加えました。
誌面には、グループの象徴的な存在であるキャラクターたちも随所に登場します。ただ「マスコット的」に置くだけではなく、ページごとにモチーフや配置を変えて登場させることで、読者の視線を誘導したり、情報の補足としても機能するようにしています。統合報告書の中には、こっそりと隠れキャラクターが存在するページもありますのでぜひ探してみてください。
▼紙面に登場する「ちいさきもの」たち
コンテンツに合った温度で届ける
▲コンテンツにあわせて工夫したデザイン
本文には、誰にとっても読みやすいユニバーサルデザインフォントを選びました。視認性や読みやすさに配慮し、情報がスムーズに届くよう意識しています。
中ページでは、それぞれのコンテンツが持つ“個性”や“温度感”を引き出すために、見せ方にもひと工夫。たとえば「あゆみ」のページは、ステージが上がっていく構成にすることで、事業の成長を視覚的に伝えています。インタビューページは、読みものというより“話を聞く”感覚に近づけるよう、チャット風のレイアウトや、写真の配置・雰囲気づくりにもこだわりました。
一方で、財務情報やコーポレート・ガバナンスといった重要な情報を伝えるパートでは、誌面のトーンを切り替えて構成。
読み手が集中しやすくなるよう、誌面全体にメリハリを持たせています。
統合報告書には、グループ方針が皆様に伝わりやすいよう多彩なコンテンツをご用意していますが、中でも一番グループの目指すところが分かりやすくなっているのは、社長メッセージです。
どのように表現するのか思い悩んでいたところIR課からの「漫画風とか、語録風どう?」という一言。
社長メッセージは企業にとって最も重要な発信のひとつですが、どうしてもお堅い印象になり、読み飛ばされがちという課題がありました。
ちょっとくだけすぎじゃない...?と思いつつも、一般的に慣れ親しまれた“漫画“というフォーマットは、わかりやすく、読みやすいという利点があります。そこで一度、思い切ってその案で制作を進めてみることにしました。
当初の原稿は漫画化を想定していなかったので、イメージの転換に悪戦苦闘!
それでも社内チェックの段階で「読みやすいし、ちょこちょこ遊び心のあるイラストがあって笑いながら読めた」といった意見があり、公開後には外部の方からも「漫画風ありだな」「社長の考えがよく伝わった」といったポジティブな反応をいただけたので、思い切って提案に乗ってチャレンジしてよかったと感じています。
▼アニュアルレポートと統合報告書の社長メッセージ
合計196ページ、全速力で走りきる
日本語版・英語版合わせて196ページの制作は、想像以上にガッツのいる作業でした。五月雨式に届く原稿、ページごとに異なる進捗状況。
「やっと校正終わった~!」と思えば、さらに別レイヤーから、膨大に届くTemasチャットでの校正…(涙)締め切り間近 ― 夜の20時に、Teamsチャットが止まらず、ひたすら文字校正が送られてきたときは、「もう終わった・・・」と宙をみていました。
ある程度まとまったボリュームで校正を回す方式では間に合わないと判断し、IR課とクラウド上での共同編集環境を準備しました。
相談内容に応じてチャット、オンラインMTG、対面打合せを柔軟に使い分けました。この方法がスムーズで、とても良かったです。
進行管理には苦労も多かったものの、こうしたスピード感のある連携は、インハウスならではの強みだったと感じています。
▼インハウスならではの柔軟&高速コミュニケーション
自由のなかで見えたブランドの「らしさ」
▲統合報告書 表紙
コンセプトや構成、演出を柔軟に受け入れてもらえたことは、当社のカルチャーそのものを感じる機会でもありました。統合報告書のように“きっちり真面目に作るもの”という印象を持ちがちな制作物に、ここまで自由な表現ができるとは思っておらず、そこにこそ”アイフルらしさ”があると実感しました。
一方で、情報設計や表現においては、まだまだ改善の余地も多くあります。初めての取り組みで、必要以上に慎重になった部分もありました。
これから、もっとわくわくする世界を広げていく会社に遅れをとらないよう、サービスや会社の魅力を伝えるための情報設計や表現を模索し続けたいと思っています。デザイン室も挑戦を重ね、スキルを磨いていきます。
約半年の期間をかけ、たくさんの人の協力を得て完成した統合報告書。
会社のことを知りたいと思ってもらえるのは、とてもありがたいことだと思います。だからこそ、目を向けてもらったとき、少しでも一緒にわくわくしてもらえるように。楽しんで読んでいただけるよう、心を込めて制作しました。ぜひご覧ください!
≪アイフルグループ 統合報告書≫
▼デザイン室の今昔物語(P.42)もおすすめ!

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